🔄 変容の系統 (フェーズ 2 / 2)
メタトロンはどこから来るのか
まず、彼が何でないかから始めるのがよい。エノク書、すなわち第一書と呼ばれ紀元前三世紀に属するあの書物は、メタトロンを一度も言及しない。この名が現れるのは数世紀のちのこと、天の宮殿をめぐるユダヤ教の文献においてである。そしてすべてを語るのはエノク第三書、またの名をセフェル・ヘハロト、五世紀か六世紀の書であり、そこで一人の天使がラビ・イシュマエルの前に進み出てこう名乗る。わたしはエノク、ヤレドの子である、と。
この名そのものについては、誰も説明しきれていない。「御座のかたわら」を意味するというギリシア語の複合語、ローマ軍で先に立って宿営の縄張りを測った測量官を指すラテン語のメタトル、この語は実際にラビ・ヘブライ語へ入っている、さらにはミトラとの関係まで唱えられてきた。三つのいずれも決め手を欠き、千年の議論を経てなお事情は変わらない。
本文がはっきり示すのは、彼の名の数のほうだ。七十。神が彼に与えたものである。それらを束ねる称号「御前の君」は、力ではなく職掌を言う。前に立っていること。この建物全体の聖書的な土台は、出エジプト記のたった一節だ。神はイスラエルの先に一人の使いを遣わす、その者に従え、「わたしの名が彼のうちにあるから」と告げる。ラビの伝承はそこにメタトロンを読み取り、その読みからほかのすべてが出てくる。
本文が描く姿と、彼のものではない立方体
セフェル・ヘハロトは、美術がついに届かなかったところで精確である。七十二の翼、左右にそれぞれ三十六枚、そのひとつひとつが世界を覆いうる。三十六万五千の眼、そのひとつひとつが太陽のようである。第七の宮の戸口に、栄光の座にならって設けられた座。そして天と地とがそれによって創られた文字を刻んだ冠。彼を描いた古代の図像は一つも存在しない。彼は本文の天使であって図像の天使ではなく、彼のいかなる肖像も、古い記述を近代が図解したものにすぎない。
メタトロンの立方体、今日その名を検索すればまず出てくるあの図形は、この伝統に属していない。近代の神聖幾何学の図形であり、いわゆる生命の果と呼ばれる十三の円を直線で結んで描かれるものだ。セフェル・ヘハロトにも、ゾーハルにも、中世カバラのいかなる写本にも見当たらない。天使の名を借りたのは図形のほうであって逆ではない。六世紀の名を冠した二十世紀の品である。多くの人が探しているのはこれだから、ここに載せる価値はある。ただし出自は知っておいたほうがよい。
色や、光の翼や、現代の信心用の図版が添える笏についても同じことが言える。そのどれも典拠にはない。典拠にあって、しかもどんな笏よりも珍しいのは、天の宮廷で最も高いこの天使が、かつて地上を歩いた一人の人間の来歴をもっているという一点である。
書記であり、君であり、そして六十の鞭
彼の職は書くことである。メタトロンはイスラエルの功と人々の業とを記録し、そこから天の書記という称号を得る。中世ヘブライの魔術書セフェル・ラジエル・ハマラフはさらに、御座から人へ降りてくる知の伝達者として彼を加える。
宮廷における彼の位置は、ほとんど常に誤って語られる。ミカエルにもガブリエルにも命令しない。そう言う古い典拠は存在せず、天の軍勢を率いるのはミカエルである。セラフィムの君でもない。セフェル・ヘハロト自身においてそれはセラフィエルだ。彼のものは別の事柄であり、属する隊がない。御前に立っていること。それはただ一人ぶんの職掌である。つむじ風に上げられたエリヤと同一視されるサンダルフォンが彼と組にされるのは対称ゆえであって、人から天使になった二人だからだ。「双子の兄弟」という言い方は後世の秘教的な語彙であって、古い典拠のものではない。
そして、諸本文がわざわざ引いてみせる限界がある。タルムードのハギガー篇で、アヘルは園に入り、メタトロンが座って書いているのを見て、天には二つの力があるのかもしれないと結論する。物語は取りうる唯一の仕方で応じる。メタトロンは座っていたかどで火の鞭を六十打たれる。僕たる者は立っているからだ。この場面は彼の高さを讃えてはいない。区切っているのである。のちのカバラはもう一つの用心を加え、原初のメタトロンと引き上げられたエノクとを区別した。一人の人間の昇進が創造主を巻き込まぬようにするためである。この天使について語られることはすべて、その但し書きを伴って来る。
別名
遺物
象徴
元素
神火
数字
10
色
金色
動物
鷲, 獅子
印章:
特性
力
弱点
行動
耐性
他の存在との関係
神話
ユダヤ教内の秘教的・カバラ的な伝統で、タームード時代のメルカバ神秘主義、13世紀のゾーハル・カバラ、16世紀のルリアニック・カバラ、18世紀のハシディズム運動、そして霊的世界を通じた上昇、神聖な名前の喚起、神との神秘的合一を達成し、創造宇宙の秘密を解き明かすための様々な瞑想的・瞑想・幻視的実践を含む。
出典
3エノク書 (ヘブライ語エノク書)
匿名 · 紀元500年頃
ヘブライ語エノク書(3エノクまたはセフェル・ヘカラト)は、中世ユダヤ神秘テキスト(5-6世紀)、エノクがメタトロンに変身したとされる。天使階層、堕ちた王子タミエル、天の宮殿(ヘカラト)の幻視を記述。
セフェル・ラジエル・ハマラフ
ヴォルムスのエレアザル(ラジエルに帰属) · 1200
中世ユダヤの魔導書(1200年頃)。天使ラジエルに帰され、伝承ではアダムに授けられたという。宇宙論、天使の名、守護の魔術を集め、秘教的天使論の中心的資料。
ゾハル
モーシェ・デ・レオン · c. 1280
リリスとその悪魔の子孫の神話を拡張する13世紀のカバラの基本作品。
エノク第二書(エノクの秘密の書)
作者不詳 · 1世紀
古代スラヴ語で伝わるユダヤ教の黙示文書。グリゴリを第五の天に置き、人の姿をしていながら大いなる巨人より背が高く、顔はしなび、口は絶えず沈黙していると記す。
バビロニア・タルムード ハギガー篇
作者不詳 · 3-6世紀
園に入った四人の物語を含む。アヘルはメタトロンが座って書いているのを見て、天には二つの力があると推し量る。本文はその誤解を、メタトロンに火の鞭を六十打たせることで解く。僕たる者は立っているからである。
よくある質問
メタトロンはエノク書に登場するのか。
どのエノク書かによる。紀元前三世紀のエノク第一書には一度も出てこない。あの書物が語るのは見張る者たちと裁きであって、メタトロンではない。この名が属するのは八百年のちのエノク第三書、すなわちセフェル・ヘハロトであり、そこで天使はラビ・イシュマエルの前にヤレドの子エノクとして名乗る。この二つの書を取り違えることが、彼にまつわる最も多い誤りである。
「メタトロン」という名は何を意味するのか。
分かっていない。提案が足りないからではない。「御座のかたわら」を意味するというギリシア語の複合語、ローマ軍で宿営の縄張りを測った測量官を指すラテン語のメタトル、この語はたしかにラビ・ヘブライ語に入っている、さらにミトラとのつながりまで唱えられた。どれも決め手にならない。典拠が言っているのは、彼が七十の名をもつことと、それらを束ねる名が「御前の君」であることだ。
メタトロンの立方体とは何か。
近代の神聖幾何学の図形であって、カバラの象徴ではない。いわゆる生命の果と呼ばれる十三の円を直線で結んで描かれ、セフェル・ヘハロトにも、ゾーハルにも、中世のいかなる写本にも現れない。天使の名は後から付けられたものだ。六世紀の名で洗礼を受けた二十世紀の品である。人気はある。古くはない。
メタトロンは「小なるヤハウェ」なのか。
その称号は存在する。ただし警告が貼りついた状態で来る。天の宮殿の文献に現れ、神が自らの使いについて「わたしの名が彼のうちにある」と言う出エジプト記の一節に支えられている。そして典拠がブレーキを踏むのはまさにそこだ。ハギガー篇でアヘルはメタトロンが座っているのを見て、天には二つの力があると推し量る。物語はその誤解を、メタトロンに火の鞭を六十打たせることで決着させる。称号は高い。但し書きは明示されている。
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